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香澄の存在は腹が立つけれど、今はコトハを探して話を聞く方が先だった。
しかし、残念なことにコトハはまだ登校してきていないようだ。
落胆しつつ自分の席へ向かって鞄の中の教科書などを机に移動して行く。
「このお菓子おいしそー!」
途端におおきな声が聞こえてきてそちらへ視線を向けてみると、香澄が机の上にカラフルな缶を置いていた。
それは有名なお菓子メーカーのもので、あたしは思わず「あっ」と声を上げていた。
将来パティシエを目指しているので、お菓子に関するものにはつい反応してしまうのだ。
「どうしたの星羅ちゃん?」
香澄が小首を傾げて聞いてくるので、あたしは咄嗟に視線を逸らせた。
「なんでもない」
口の中でモゴモゴと返事をして再び自分の机に向き直る。
「もしかしてこのお菓子が欲しいとか?」
そう言ったのはマチコだった。
あたしは左右に首をふる。
とても高級なお菓子だから食べてみたいと思っていたが、これ以上絡まれるのは嫌だった。
香澄の存在は腹が立つけれど、今はコトハを探して話を聞く方が先だった。
しかし、残念なことにコトハはまだ登校してきていないようだ。
落胆しつつ自分の席へ向かって鞄の中の教科書などを机に移動して行く。
「このお菓子おいしそー!」
途端におおきな声が聞こえてきてそちらへ視線を向けてみると、香澄が机の上にカラフルな缶を置いていた。
それは有名なお菓子メーカーのもので、あたしは思わず「あっ」と声を上げていた。
将来パティシエを目指しているので、お菓子に関するものにはつい反応してしまうのだ。
「どうしたの星羅ちゃん?」
香澄が小首を傾げて聞いてくるので、あたしは咄嗟に視線を逸らせた。
「なんでもない」
口の中でモゴモゴと返事をして再び自分の机に向き直る。
「もしかしてこのお菓子が欲しいとか?」
そう言ったのはマチコだった。
あたしは左右に首をふる。
とても高級なお菓子だから食べてみたいと思っていたが、これ以上絡まれるのは嫌だった。