クルクルパーマのマチコとショートカットのナツコだ。


行き帰りは側近のこの2人が香澄を取り囲んで歩いているが、学校に到着すればクラスメートの大半が香澄のとりまきになっていた。


なんせ香澄はお金を持っている。


仲良くしておいて損はないのだ。


「ご、ごめんなさい……」


あたしは理不尽な文句にも言い返す事ができず、素直に道を譲った。


「ふふっ。ありがとうね星羅ちゃん」


香澄はそう言って目を細める。


その表情はあからさまに人をバカにしているものだった。


胸に苛立ちが込み上げてくるが、それを口に出す事もできず、あたしはただ香澄たちが通り過ぎていくをの見ていることしかできなかったのだった。