当たり前だ。


海は自分の家にいるはずだ。


ホッと胸をなで下ろして手鏡をバッグにしまった。


きっと昼間の出来事がちょっとしたトラウマになっているだけだ。


そう思って安堵したものの、トラウマを抱えながら付き合う意味はあるの? と、頭の中でもう1人の自分が語り掛けて来る。


別にいいの、それでも海のことが好きだから。


本当に? 今のままじゃ幸せにはなれないってわかってるのに?


そんなのわからないじゃん。海だって、変わってくれるかもしれないし。


人格強制デロディで?


もう1人の自分の言葉にあたしは呼吸が止まるかと思った。