「この点数いくらなんでもひどいよねぇ」


「かわいそー夏休み消えちゃったね」


「でも自業自得だよね。ユウカに自分の名前を書かせてテストをさせたんでしょ?」


ヒソヒソ。


クスクス。


あちこちで笑い声が漏れて聞こえる。


あたしは咄嗟にそちらへ顔を向けて睨み付けた。


普段ならこれで止まるはずの噂話が、今日は止まない。


あたしを笑いものにする声はいつまでも続き、やがて教室全体を包み込み始める。


「なんなのあんたたち……あたしのことを笑ったらどうなるかわかってるの!?」


怒鳴ってみてもなんの効果もなかった。


ギギッと椅子を引く音がして田村があたしに近づいてくる。


「大丈夫星羅ちゃん。僕はずっと君の味方だからね」


そう言う田村に教室は笑いの渦に包まれた。


「星羅と田村だって、お似合いじゃん!」


「コトハよりもずっとお似合いだよねぇ!」


その言葉にハッとした。


そうだ、コトハはどうしたんだろう。