「ねぇ、今日はもう帰ろうよ」


香澄は周囲をキョロキョロと見回してそう言った。


そう言えばさっきから香澄の額には汗が滲んできている。


精神的に限界が近いのかもしれない。


人には大きな顔をしておいて、自分のこととなると本当に弱いみたいだ。


「仕方ないなぁ。その代わり、あしたの朝学校にカード持ってきてよ? 校門前で待ってるから」


「……わかった」


香澄は微かに頷いたのだった。