あたしはため息交じりに言った。


今のコトハは見ていてとても滑稽だ。


同じクラスメートだと思われることすら、不愉快になるほどに。


「気が付かなきゃいけないのは星羅の方だよ」


コトハが強い口調で言った。


「はぁ?」


「今のコトハはまやかしの中にいるの。こんなの一瞬の出来事で、すべてが終わる時がくる!」


真っ直ぐにあたしの目を見ていうコトハに、咄嗟に視線を逸らせてしまった。


それだけでコトハに負けた気分になって奥歯を噛みしめる。


コトハはあたしを妬み、脅しているだけだ。


自分が『人格矯正メロディ』とダウンロードできなかったから、こんなことを言っているだけだ。


「現実をみた方がいいのはコトハだよ? 今のコトハ、すっごい惨め」


あたしはそう言い放ち、香澄と一緒にその場を後にしたのだった。