「とにかくさ、香澄にイジメられて嫌だったなら、やめるべきだと思ったの」


「あぁ~……そんな過去のこと、もう忘れた」


あたしはキッパリと言い切った。


本当は忘れてなんていなかったけれど、今が少しでも楽しい方がいい。


だって、人間っていつ死ぬかわからないでしょう?


それなら、あたしは今を楽しみたい。


「本気で言ってるの?」


「コトハってば硬いことばかり言わないでよ。今を楽しもうよ、ね?」


あたしは強引にそう言い、また大きな声で笑ったのだった。