人格矯正メロディ

『人格矯正メロディ』を聞かせて以来、あたしに話かけることのなくなった田村だけれど、相変わらずクラス内では浮いた存在だった。


特に女子たちからは目に見えて敬遠されている。


「そうだ、面白い事おもいついちゃった!」


それは暇な日常をほんの少しだけ面白くする方法だった。


過去のあたしなら絶対にできなかったと思うけれど、今は違う。


あたしのやることを否定する子はこのクラスにはいないはずだ。


「なにをする気?」


コトハが怪訝な顔をこちらへ向けて聞いてくる。


あたしは軽く鼻を鳴らして「まぁ、見てなって」と、答えたのだった。