コトハは冷たい視線を2人に投げかけている。


「いい加減気が付なよ? 誰もあんたたちにはついて行ってないんだよ?」


コトハにそう言われ、ようやくナツコが教室内を見回した。


「みんな香澄がいたからついてきてただけ。もっと詳しく言うと、香澄のお金について行ってただけ」


あたしはナツコを見下ろしてそう言った。


そして、笑う。


本当に心の底からおかしかった。


これからクラストップになろうとしていたナツコの、愕然とした表情。


クラストップという夢がもろくも崩れ去った時の青ざめた顔。


「そうだ。そんなナツコとマチコに素敵な音楽を聴かせてあげる。気分が落ち着く音楽だよ」


あたしはそう言うと立ち上がり、スマホを取り出したのだった……。