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それからのあたしはまるで天国にいるかのようだった。


学校生活は順調で邪魔者は誰もいない。


お金がほしくなれば香澄に命令して持って来させ、コトハと一緒に好きなだけ買い物をする。


あたしにとってはセレブ学生のような生活そのものだった。


「ねぇ、今日の掃除当番変わってくれない?」


そんな生活に水をさすようなことを言って来たのはマチコだった。


マチコとナツコの2人は香澄がいなくなってからも2人でつるんでいる。


「え?」


あたしは怪訝な顔をマチコへ向ける。


「なにその顔。香澄がいなくなって調子に乗ってるみたいだけど、あんたはクラスの底辺なの。それは変わらないんだけど?」


マチコはそう言うとあたしを見下ろした。


香澄がいなくなって数日。


マチコは今度は自分がクラストップになろうと企んでいるのかもしれない。


確かに、今まで言えばマチコとナツコの2人がトップになってもおかしくはなかった。