「はい、わかりました」 「詩音と仲良くしてやってください。それでは、失礼します」 そうとだけ言って、また身を翻した章仁さん。 あれ…?でも、百合子さんと一度も会話されてないんじゃ…? 「いいのよ。これが私たちの普通なの。気にしなくても平気よ」 それを察したのか、百合子さんは慣れなように私にコソッと耳打ちした。 「…まぁ、これで家族全員と芙羽梨が顔を合わせられて良かったかな」 詩音先輩は複雑そうに苦笑している。 「また今度会う時は、もっとちゃんとした関係になってるとき…かな」