「君が、芙羽梨さん?」 「は、はいっ…!宮村芙羽梨ですっ…」 俳優さんみたいなかっこよさがあって、つい見とれてしまう。 「初めてお会いするね。詩音の父の香月章仁(あきひと)です。こんな姿で申し訳ない。またすぐ移動しなければならなくてね」 「いえっ、全然そんな…」 私なんかにも丁寧でスマートで…詩音先輩が素敵なのは、きっとお父さんの影響なんだろうな…なんて。 一瞬そんなことを思っていると、章仁さんは詩音先輩の方を見た。 「詩音、久しぶりだね」 「お久しぶりです」