香月グループの御曹司、なんだ…。
今更だけど、詩音先輩と世界が違うということが突きつけられた感じがする。
「ちょっと、何不安そうな顔してるの?私は今、家柄とか気にしなくていいって言ったわよね?」
「あっ…」
何を聞いていたんだか、とため息をつかれてしまった。
「でも、芙羽梨さんがこの世界についていけるかはあなた次第。学ばなくてはいけないことも山積みでしょうしね。今までの生活を捨てる覚悟がなきゃやっていけないわ」
今までの生活を捨てる…。
「それでもいいのなら、私は構わない。でも、相当な覚悟が必要よ」



