決してこの世界にいることは無いし、いたとしても必ずお姫様と結婚してしまう。



高校生になるまで、恋というものをまるで知らなかった私にとって、好きになるのはきっと王子様みたいな人だと思っていた。



私にそんな人ができたら…そんなことをよく考えていたっけ…。



「でも……違いました」



詩音先輩は誰にでも平等に優しいし、夢見てた王子様にとても近い存在。



だけど………絵本の中の王子様とは、ぜんぜん違うところがある。



「詩音先輩はこんなにも私だけを見ていてくれて、たくさんの愛をくれる…。ただの王子様じゃない。私だけの王子様です」



とことん甘く、紙や本にはない温かさで私を愛してくれる。