「初めまして。香月詩音と申します。今日はお忙しい中、お時間をとっていただきありがとうございます」 「…君が芙羽梨の彼氏の詩音くんか」 「はい。大変僭越ながら、お付き合いをさせていただいております」 …く、空気がピリピリしてる気がするのは私だけ…なのかな。 仕事から帰ってきたお父さんと、ニコニコしてるお母さん、私と詩音先輩が対面中だ。 お母さんに話していた時よりも丁寧な言葉遣いと声の真剣さが、より詩音先輩の真面目さを感じさせる。 お父さんも、いつになく表情が硬い。