なのに、私がこんなんじゃダメだよね。 一度話しているなら、きっとなんとかなるはず。 そう思っていたら、リビングのドアが開いた。 「あら…もしかして、あなたが詩音くん……?」 出てきたのは、いつもより綺麗な格好をしているお母さん。 詩音先輩を見た瞬間、顔がほんのり赤く染まった。 「はい。初めまして。香月詩音と申します。今日はお時間をとって下さり、ありがとうございます」 頭を下げてニコリと笑う詩音先輩は、高校生では考えられないくらい紳士的でスマート。