こんなことは生まれた初めてで、自分でも驚くくらい。 「っ…好き、なんです。待たせて、ごめんなさい…っ…」 詩音先輩が、一瞬息を呑む音が聞こえた後すぐに抱きしめられた。 今までで一番強くて優しくて…詩音先輩の心臓が脈打っているのがわかる。 「っそんなことない…全然、待ってないよ。それに、芙羽梨に待たされるなら本望だ」 顔は見えないけど、心做しか詩音先輩の声が震えてる。 「僕も、芙羽梨のことが好きだよ。世界で一番、愛してる」 「っ…ぅ…わた、しも…愛してますっ…」