彩凛ちゃんが私の荷物と自分の荷物を手に抱えて、そう言ってくれた。 「うん。ありがとう、彩凛ちゃん」 今日は彩凛ちゃんに助けられてばっかりだな…ちゃんと何かお礼しよう。 そう心の中で決めて、さっきかずくんと話したところと同じ場所に来た。 少しの間沈黙が流れ、それを破るようにかずくんが口を開く。 「…はぁ、やっぱりあいつには敵わないってことだよな」 諦めたように呟くかずくんは、なんとも言えない悲しさをまとっている。