「わ、2人とも早い…!どっちもほとんど同じ速さ…すごい…」 彩凛ちゃんが何か言っているなとは思ったけど、私の耳には入ってこなかった。 絶対誰にも負けないと言っていた詩音先輩。 ずっと私を好きでいてくれて、私が詩音先輩と付き合っているのを知った上で今走っているかずくん。 どっちも応援したいと思う気持ちは嘘じゃない。 …それでも、今私の頭の中にいるのは…胸の奥が暖かくなるのは…。