「うぅ…すごい見られてたなぁ…」 ぽつりとこぼすと、先輩は「お疲れ様」と飲み物を渡してくれた。 「ありがとうございます」 「僕のところに真っ先に来てくれたの、凄い嬉しかった。ありがとう」 「そんな、お礼を言うのは私の方です…!」 詩音先輩はただ走らされただけで、なんの得にもなっていないのに。 「言ったでしょ?来て欲しいって。芙羽梨に頼られることが、僕にとってどれだけ嬉しいか…。だから、ありがとう」