「それじゃーまたね、詩音」




「またね」




そんな会話をして謎の男の先輩…であろう先輩はノロノロと生徒会室を出ていった。




「…なんかごめんね。柚月のやつ、帰れって言ってるのに帰らなくて…」




「いや、別に」




「そんな話は置いといて…。話って、芙羽梨のことだよね?」




「…はい」




さっきとは打って変わって、穏やかだった空気はピンと張り詰めた空気に変わる。




「相川くんは芙羽梨の幼馴染み。昔からずっと好きだった…だから簡単に渡したくない…ってとこかな?」




「…わかってるじゃないですか」




「これで分からない方がおかしいよね」