渇愛の姫




「来たよ…───」

  「やばいよね───」


「よく平気で来れるね…」




…なんだろ。

今日はやけに陰口を言われてるみたい。


目が合うと逃げていく子ばかり。





「…あ、」


相も変わらず紙くずだらけの下駄箱を開けると、1枚の紙が落ちた。





「いっ…」


苦痛のあまり顔が歪む。
あんまり痛がるような表情は出したくないのに、不意に踏まれた手の甲が激しく痛む。