渇愛の姫



「──結愛…っ」


目元を赤くして、息を切らしながら結雅が近づいてくる。


「結雅、生まれたよ。触れてあげ──」



赤ちゃんを撫でながら、結雅にも触れさせようと促すと、突然視界は真っ暗に。



「…結雅、ここ病院だし…みんな見てるよ。」

「………」


いつもの余裕が感じられない。

…先生たち、気を使ってか病室から出ていったし。