渇愛の姫



初産で、双子で、予定日を遅れて。


心配と不安と、心細さに苛まれそうになった時にいつも結雅はそばに居てくれる。



「お母さん、私今すごく幸せ。」


あの頃には考えてもみなかった。

こんなに私が幸せになれるなんて。



幸せを願うことすら許されなかった、地獄のような日々では。





「…幸せで、怖いくらい。」




そう言ってお母さんの遺影に手を伸ばそうとした瞬間、激しい立ちくらみに襲われた。