「「結雅(さん)、誕生日おめでとう(ございます)!!」」



一気に開いたクラッカー。

うるさいはずの音は、聞こえなくて。





「おめでとう…」


開けないでいたクラッカーを落として、私は結雅の胸に飛び込んだ。



「ありがとう。」

そのあまりの優しい声に顔を上げると、結雅は優しく微笑んでいた。


それも初めて見る表情。

そして、もう一度見たいと思った表情。