渇愛の姫



「ゆ…あ…」


相変わらず綺麗でサラサラな髪に指を通すと、寝言で名前を呼ばれドキッとする。



「…これは相当想われてるね。」


クスリと笑い、蒼空が手を叩いた。



「2人とも、そろそろ結雅連れて帰るよ。」


離れていく体温に寂しさを覚えながらも、手を振った。






“また来るね、結愛ちゃん”



その言葉があるから、もう寂しくない。