渇愛の姫



10年前───



楽しそうに笑う3人家族が居た。


父親と母親、2人と手を繋ぎニコニコ笑っている女の子は幸せそうに見える。



「ねぇパパ、わたしおっきなクマさんのぬいぐるみが欲しい!」


その日、女の子は誕生日だった。



「じゃあ買いに行こうか!」

そう父親が言うと、女の子はまた満面の笑みを浮かべた。