渇愛の姫



運命、なんてロマンチックな言葉で表していいほど綺麗に愛されてなんかいない。



「アイツは…神崎 結雅は知ってるの?君の過去のコト。」


梓さんのお墓参りの時。
私は話す覚悟をしていた。



でも結局は話せなかった。







































「話せるワケないよねぇ!…“母親を殺した”、なんて。」




その言葉は酷く重く、私の心に落ちてきた。