渇愛の姫



「まだないものねだりしてるんだね。」


ベッドの上で私を見下しながら、男はそう言った。


いつだって私はないものねだりをしている。

そんな私の心の中を読んでいて尚、私を離さないこの男が最早悪魔にすら見える。




「…言ったでしょ。愛してくれるなら誰でもいいって。」


抵抗できない分、否定した。

貴方に愛されようが私は貴方じゃなくていい、と。



他の誰からの愛でも私は満足できるのだと。