渇愛の姫



「あぁ、可哀想に…泣いてるの?」


…そっか、私泣いてるんだ。

それすらも気がつけないほどこの場所に来ると感情を失う。



「それにしても、まさか君があんなに誰かに固執するなんてね。」


座ると軋む音が響くベッドに腰掛け、こちらを見てバカにしたように笑う。

私の何を知っているからそう偉そうに上から言えるのか、未だに理解はできない。