渇愛の姫



「懐かしいでしょう?ここ。…あの日のままにしておいたんだ。」


“あの日”

それは、私の中の忌々しくて忘れたい記憶。




「言ったよね。話すのも、会うのもダメだって。」


冷たいコンクリート。

傷だらけの壁と、所々にある血痕。


「助けて」と赤い文字で何個も書いてある不気味な空間。


日にちを数えるように横線と縦線で書いてあるのも何百個もある。



















それら全て、私が書いたもの。