渇愛の姫



「あぁ…僕と同じボディソープの香り……あの頃を思い出すね?」


“あの頃”

それを口に出されただけで一瞬にして立ちくらみがしだした。

吐きたいのに、何も食べてないせいで何も出てこない。

目の前にいる男の勝ち誇った顔だけが視界に広がる。



「ねぇ、」

私のほうに伸びてくる手が、ゆっくりと私の首を締めているようで。



「…触んないで。」



そのゆっくり伸びてくる手を、払った。