爽やか王子の裏側は




「でも…今朝シクラメンしぼんでたんです。」


「ああ…季節的にね。今年は寒暖差もすごいし。仕方ないかも」


…残念だな


「そんなに落ち込まなくていいよ。花だって永遠に咲き続けるわけじゃないんだから」


…そうか


「長生きした方だよあの子は。」


「そうですかね」


「うん」


顔を上げた拍子に時計が目に入る


…はっ


思ったより長居してしまった!


もうすぐSHR始まる


「あ、制服とタオルありがとうございます!洗って返します」


「いいよ別に。俺がぶつかったやつだし」


そういって私が持っていたタオルを持っていってしまった


「あ、ありがとうございます」


「制服乾かしとくから放課後またここにおいで」


「わかりました。ありがとうございました」


「ん。こちらこそ」


え?


「いつもシクラメンを見てくれてありがとう」


うう

胸がギュンとした(本日2回目)


「そ、それでは」


ぎこちなく生物室を後にした


…あれが長谷川先生か


なんか…思ってたよりいい人っぽい



あ!シクラメン!水あげなきゃ