爽やか王子の裏側は




「ありがとうございました」


「こちらこそ〜またきてね」


陽一さんにも裏があるのかな


太陽のようなスマイルに心臓を鷲掴みにされた気分だ



「お前買い物は?」


え?


「買い物に来てたんだろ?」



…あ



「そ、そうだった」



いつのまにかこんなことになってたけど今日の任務はまだ終わってないじゃないか



「そ、それじゃ私はこれで!ありがとうございました」


ほぼ吐き捨てるように言ってスーパーにダッシュ


しまったああああ



えっと、えっと…


これとあれとそれと





ーー





やっとの思いで買い物が終わる


ふう、飛んだ1日だったな


見下ろすとまだ新品の匂いがする可愛らしい服



…ふふ



思わず笑みが溢れる


スーパーの袋を握り締めていつもより軽い足取りで帰ろうとした


「西村」





へ?


ショッピングモールをでたところで名前を呼ばれ、脚が止まる


「そ、園川くん?」


え、なんで


出口のドアの横で壁にもたれかかっていたのはさっきまで一緒にいた園川くん


「帰り?」


「か、帰りです」


私の言葉に頷くと当然のように隣に並んだ


え、あの、これは…



「なんか無理やり付き合わせた感じだったから念のため、、」



念のため…何?


感じっていうかもろ無理やりだったけど



まぁ



「…こんな素敵な服貰っちゃったし…あ、ありがとうございました」 


ぎこちないお礼を言う



「…送る」


…へ?


「送るよ、遅いし」


いやいや、そ、そんな


「俺のせいで遅くなったんだし」



あ、うんそうだね



それはそうだね



…じゃ、



「お、お願いします」