「ちょ!付き合うってどこにですか!」
「俺は服を買いに来たんだよ」
だからなんだよ!
「どうせ暇だろ?」
「スーパーで買い物があるんですけど!」
「あとで行きゃあいいだろ」
はっあああ!?
「私園川くんの服買ってるとこ見てもなんの得にもならないんですけど!?」
「うるっせぇな。黙ってついてこいよ」
なんなんだこの野郎は
とか言いつつ私は必死に園川くんを追いかける
ったく…馬鹿はどっちなんだ
こんなたまたま出てきた休日に園川くんに遭遇するとは
園川くんもなんでこうもいいタイミングで部活休みなのかなぁ、、
しばらく駆け足で園川くんを追いかけて、その脚が止まった
「…ここ。俺の父親の会社関連の服屋。兄貴が働いてる」
へ?
お父さんの会社…お兄さんが働いてる…
見上げるとこんな私でも知っているような有名なブランドの洋服店だった
え、お父さん、ブランド系のお仕事してらっしゃるの?
「お前…その服なんとかしたら?」
は、は?
私の服を見て鼻で笑う園川くん
このブランドの前に立つには恥ずかしすぎる格好
長い間使い続けたせいか、ジーンズはセルフダメージ。
パーカも黒いはずがだいぶ色が落ちてくすんでいる。
微妙にサイズが合ってないためはっきり言ってダサい。
…だが
仕方ない
我が家に新しい服を買うような余裕はナッシング。
なぜここまで連れてこられたのか…
まさかと思うけど
「ここで服を買えと?」
「いくらかマシになんじゃね?」
なっ!このブランドお高いんですけど!?
「む、無理です!私にはとても手の出せるものでは…」
「あ、兄貴。」
あ、あにき…?