「うわあっ!」
扉を開けようとした瞬間、丁度同じタイミングで扉を開こうとした人物が物凄い至近距離に現れる
中から出てきたのは西村だった
「おわ、ビビったぁ…なんだ、お前かよ」
「そ、園川くん!?」
すっとぼけた顔で俺を見る
かなりの至近距離に西村がいて変な気分になる
近くで見るとこんな顔してたんだとか…
いや、てか
「なにやってんだよこんなところで」
「私はただ園川くんを追いかけてきただけなので、そっちこそ何やってるんですか」
??
「へぇ、俺のこと追いかけてきたの?ストーカー?気持ちわるぅい」
俺の言葉にあからさまに怪訝な顔になる西村
からかいすぎたか?
「ブランケット!」
……
は?
「返してください、この前園川くんがここで寝てたときにかかってた赤いブランケットです」
この前…寝てた?
赤いブランケット…
これ?
「そうです。それ大事なので返してください」
西村が差し出す手を見て状況を整理する
…え、このブランケットが西村の?
俺が寝てたの知ってるって…
じゃあ…え?
「…お前…?」
「え?」
「ここ最近よくピアノ弾いてたのって西村?」


