「…うぅ…ぐず」
「…やっぱ泣いてんじゃん」
少し気を抜いたせいかぼたぼたと涙が出てくる
「う…快斗っ…」
思わず手を伸ばすと、少しぎこちなかったけどその手を取って抱きしめてくれた
私よりずいぶん硬くて広い快斗の胸
「ううぁ…わ、私っ…」
「うん…」
「どうすればいいんだろうぅ…ぅぁ」
「…うん」
人気はないとは言え、道のど真ん中だ
でもそんなことどうでも良くなるくらい涙が出てくる
視界が水
しょっぱい
それから…
悲しい
いつぶりだろう
最後に泣いたのっていつだろう
覚えてない
こんなにも変な気分になるんだな
泣くっていうのはかなり苦しい
えっくえっくと息を吸うのが下手になる
心臓から喉にかけて何かが出てきそうな変な感覚
どういう仕組みで涙が出てくるのか
瞬きするたびに濡れる頬
心臓が締め付けられる
