!!
「うわあっ!」
扉を開けた瞬間、丁度中を覗き込もうとしてた人物が物凄い至近距離に現れる
「おわ、ビビったぁ…なんだ、お前かよ」
なっ
「そ、園川くん!?」
「なにやってんだよこんなところで」
いや、こっちのセリフなんだけど
「私はただ園川くんを追いかけてきただけなので、そっちこそなにやってるんですか」
「へぇ、俺のこと追いかけてきたの?ストーカー?気持ちわるぅい」
こんの野郎ぅ……
「ブランケット!」
「は?」
さっさと用事を済ませて帰ろう!!
「返してください、この前園川くんがここで寝てたときにかかってた赤いブランケットです」
「あ…これ?」
園川くんは昨日今日とずっと持ち歩いてた紙袋を持ち上げた
「そうです。それ大事なので返してください」
私が差し出す手を見てポカンとしていた園川くんはその目線を私の顔に持ってきた
そして丸い目のまま口を開く
「…お前…?」
ん?
なぜか驚いたように私の顔をまじまじと見つめる園川くん
「ここ最近よくピアノ弾いてたのって西村?」
へ?


