「転校!?」
階段はよく声が響くようで
「う、うん」
「はぁ!?なにそれ、ちょ、嘘だろ!?」
昼休み
長谷川くんには伝えるや否やビックボイスでリピートアフターミー
エコーがかったワードに改めて自分の境遇を理解しました
「なんっ…は?」
あの長谷川くんからは信じられないような表情
目をまん丸にして片手で前髪を乱暴にかきあげている
ボサボサになった髪の毛に意識を取られながら経緯を説明した
「再婚…もう決まったの?」
「まだ正確には…でも、多分そうなる」
…長谷川くんは崩れた前髪を垂れさせて下を向いた
「西村華乃」
不意に顔を上げて崩れた前髪の隙間から見えた切れ長の目に心臓がなる
「は、はい?」
「好きだよ」
!!
え"
「行かないでほしい」
…
「…でも…西村華乃の家のことにまで口は出せない…」
長谷川くん
「どうしても行かなきゃダメ?」
…
私は柑奈や快斗に辛い思いをさせたくない
「…そうか…」
なにも答えなかった私をみて小さな声でそう言った
「来て」
え?
長谷川くんに手を伸ばされて思わず距離を縮める
「はぁ」
え、なんでため息
ぐん!
「わっ!」
すごい力で引っ張られて階段で座っていた長谷川くんの足の間に入った
「なっ!」
ち、ちかっ!
「だから無防備すぎるんだって…それ次の学校でもこの調子なわけ?」
えぇ
「いい?男はみんな狼だから多少は自衛しろ」
「は、はい」
「簡単に襲われるぞお前」
ひぃっ
「ああああー…離したくない」
…ドキドキ心臓がうるさい
…長谷川くんとも会えなくなるかもって思うと…やっぱりちょっと苦しい
「ごめんね。長谷川くん、よかったら転校する前にまた、ピアノ聞かせて」
「…うん」


