爽やか王子の裏側は




中途半端な時期だけど早いほうがいいってことで今日学校に伝えることになった


あとはお母さんとお父さんの準備が出来次第って感じかな


とりあえず日菜ちゃんには話そう


なんだか変に落ち着かない気持ちで教室に向かった


そういえば昨日園川くんをあからさまだ避けたんだった…


大丈夫かな


だいぶ元気を取り戻したシクラメンを眺めて小さくため息をつく


「華乃ちゃんおはよー」

「日菜ちゃん、横山くん、おはよー!」


相変わらず仲の良いことで


「日菜ちゃん…あの、ちょっといい?」


「ん?」



申し訳ないけど日菜ちゃんと横山くんを引き剥がし、連れ出す


「どうしたの」


「…あの…ね」



簡潔に転校について説明した



あまり表情の変化のない日菜ちゃんの顔がだんだん俯いていくのがわかった


「…もう…決まったの?」


「まだ…正確には決まってないけどおそらく」


「…そっか」


日菜ちゃんは唇をぐっと噛んだ


「寂しいね」


「ごめんね」


「行って欲しくないよ」


ふわっと香る日菜ちゃんの香り、ギュッと私の首に抱きついた


「私も日菜ちゃんと離れたくないよ」


「華乃ちゃんはそれでいいの?」


え?


「園川くんのこととか…想い残ることあるんじゃない?」





それは


ないと言ったら嘘になる


本当は知りたい、あのキスの意味


伝えたい、自分の初めての恋のことを


でも



「大丈夫…」



笑顔を作って見せた