自分の気持ちだけって言っても
私は自分の気持ちの中にお母さんや快斗達のことが入ってるんだよ
私だけの希望でこっちに残ったって…多分ずっと後悔し続けるんだよ
園川くんとの距離…
物理的にも離れるってことか…
きっと、前の私だったらすんなり転校するって言えた
気がかりなのは日菜ちゃんだけだったけど、今なら横山くんがいる
きっと日菜ちゃんを守ってくれる
でも…今の私は簡単に首を触れなかった
園川くんがいる
長谷川くんもいる
初めて、恋に落ちた人と
初めて、好きだって言ってくれた人
園川くんは…私がいなくなるって知ったらなんて言ってくれるんだろう
日々の癒しが無くなるーって言うかな
残念って笑いながら送り出してくれるのかな
だって友達だから…私と彼は友達っていう関係だから
長谷川くんは…引き止めるのかな
行かないでって…言ってくれるのかな
「お姉ちゃぁん」
!
「柑奈?起きちゃったの?」
寝ていたはずの柑奈が目を擦りながら部屋に入ってきた
「お母さん知らない?」
お母さん?いないのかな今
「お仕事の電話でもしてるかもね」
「そっか…お仕事、また行っちゃうのかな」
柑奈は少し眠そうな目をこっちに向けた
「んーどうだろうね」
「…せっかく久しぶりに会えたのに、またいなくなっちゃうのかな」
…柑奈
「…保育園の友達ね、みんなお母さんがお迎えに来るの。でも柑奈はお姉ちゃんでもお兄ちゃんでも嬉しいんだよ!
それに、もう小学生だからわがまま言わないって決めてたんだけどね…
柑奈お母さんにお出かけして欲しくないの」
だんだん小さくなっていく声でそう言った
「毎日帰ってきて欲しい」
…
「柑奈、おいで」
小さな弱々しい体を抱きしめた
私は高校生だ
でも、柑奈はこんなに小さい
こんなに小さいのに無理してる
…
「大丈夫だよ。お母さんはいなくなったりしないからね」
「うん…」
「ちょっと、まってて」
…
スッと立ち上がった


