数ヶ月ぶりの母の顔が出迎えてくれた
「ただいまー2人とも」
にっこり笑う姿は前見た時と変わっていない
柑奈がお母さんに抱きついている
「帰ってこれたんだ!」
「うん!任せっきりでごめんね2人とも」
普段は無表情の快斗も少し笑っていた
「たくさん聞かせて!最近のお話」
それから柑奈が必死こいて保育園のことを話したり、快斗が地味に部活成績を自慢したりと
久しぶりの家族の時間を過ごした
「それで?華乃は?」
お母さんが私に話を振ったのはもう柑奈が寝てしまった頃だった
「わ、私はいいよ」
「えー聞きたいなーお母さん」
「えぇ」
特に話すことないしなぁ
渋々体育祭のこととか、放課後ピアノを弾いていることを話した
「へえ、素敵じゃない、放課後のピアニストなのね」
「そんなおしゃれなものじゃないよ」
「好きな男の子とかはいないの?」
ぐはっ!
「ゴホッゴホッ」
唐突の話の切り替えに思わずむせ返ってしまった
「あら大丈夫?」
「だ、大丈夫」
「なによーそんなに動揺して」
ちょっとニヤつくお母さん
全く
……
「…ねぇ…お母さんはさ、お父さんとどうやって出会ったの?」
久しぶりの母の笑顔に少し気が緩んでそんな質問をした
「んー?お父さんかぁー…大学で出会ったのよ。たまたま授業が同じでね。お父さんはすごい人気者だったんだけどやたら私にかまってきてね笑。気がついたら、恋に落ちてたの」
気がついたら…
「ねぇ華乃。恋っていうのはね、そう何回もできる体験じゃないのよ。誰かを好きになるっていうのはとても大変なことなの。
そして、その気持ちを持ち続けることもとっても苦しい」
うん
「でも、それでもその想いを止めることができないから人の想いってすごいのよ。苦しいからやめようとか、片想いだから諦めようとか
そんな簡単なことじゃない。
だからもし、そういう気持ちを持った時には絶対簡単に捨てたりしちゃダメなの」
…
「恋っていうのは、結構めんどくさいのよ?」


