爽やか王子の裏側は




…え?


振り向いた瞬間目に入った人物に息を呑んだ


「…西村?」


…園川くん


「…行かないの?音楽室」


「…部活はないの?」


「体育祭の次の日だからってなくなった」


「そう、なんだ」


話せてる

大丈夫、普通に話せてる


「…どうした?なんか、顔色悪いよ?」


「…」


今まではその姿を見ると嬉しくて、胸がキュンとしてちょっと苦しかった


でも今は…ただ、苦しいだけ


「なんでも、ない」


小走りで園川くんの横を通り過ぎる


「え、西村?」


その声は聞こえないふりをしてただ走った


「西村ー待って!おい!」


だんだん小さくなっていくその声


本気を出せば簡単に私に追いつける園川くんの、遠ざかっていく声



泣くな


ちょっと歯を食いしばらないと出てきそうな涙をこらえる