爽やか王子の裏側は




パーン!


白団のやつが最後にゴールをきる


「はぁはぁはぁ」


「はぁはぁ」


俺の横で両膝に手をついて呼吸を整える大翔


「速えなお前…」


「真一こそ…」


正直どっちが先かわからなかった


ラスト20メートルで俺は確実に大翔に抜かされた


だけど


多分聞こえたあの声は、西村の声だ


あの声が聞こえた後…どうなったか



『只今の順位を発表します』



「どっちだろ」

「園川くんかな」

「長谷川くんじゃない?」


ギャラリーの予想では判断できない


大会でもなんでもない体育祭なのに


めちゃめちゃ緊張する


大翔も珍しくボサボサになった黒髪をかき上げて本部テントの方を見ている


『1位』





『赤団』





『2位青団、3位白団です』


わああっと歓声が上がる


1位赤団…か



「よっしゃ!!」


結構ガチのガッツポーズを決める


「うわー最悪ー」


大翔はそんな声を漏らしたが、思ったよりも穏やかな顔をしていた


「俺の勝ちだな大翔」

「うっぜぇw」


余裕を見せて笑うけど

実は結構ギリだった



「諦めないからね?西村華乃は」

はは笑

「うっぜぇw」