爽やか王子の裏側は




「位置に着いて」


『頑張って!!園川くん!』


あああ、俺キモ


何思い出してんだよ


「よーい!」





勝と


「どん!」

パァン!!


その音とともに思い切り地面を蹴り飛ばす


隣に大翔がぴったりついてきているのを確認してスピードを上げていく


体育祭ごときに何本気になってんだか



「がんばれー!」

「きゃー!園川くーん!」

「長谷川くーん!」


くそ、速えこいつ


どんだけスピードを出しても大翔との距離は広まらない


それどころか少しリードしていたはずがだんだんとその距離が縮まってくる


短距離は大翔の得意分野


50メートルを越したところで完全に横並びになる


懐かしいこの感覚


くそっ


残り20メートル足らず


大翔が少し前に出た




「頑張れ!!園川くん!!」







両足の筋肉に筋が入るのがわかった


もう少しっ




っーー