爽やか王子の裏側は





100メートル走は男子のみの参加


大体陸部はここに入ってる


自分の列に並び順番を待つ



「おい真一」



「え、なんでお前ここにいるんだよ」


列違うだろ大翔


「青のやつに代わってもらった」


は?


「勝負しよ、2年ぶりに」





「なるほど?わざわざ負けに来たんだ」


「はー?ほざいてろ、ちょっと走り込み練習したから結構戻ってるよ?筋肉」


「意地でもお前には負けられないんで」


「俺だって」


馬鹿みたいなやりとりをしているうちに順番は迫ってくる


「賭ける?」


かけ?


大翔がニヤッと笑って俺を見る


「西村華乃」


西村を…賭けるってこと?


「勝った方が告る」



「…お前負けても告るだろ」


「ふふ」


おい、否定しろよ馬鹿


「じゃあハチマキ」


ハチマキ?


「西村華乃のハチマキ賭けよ」


なんで俺がそんなしょうもない賭けしなきゃなんないんだよ


「次の人ー位置に着いてください」


「…賭けようが賭けまいが俺は大翔には負けない」





「そっくりそのまま返すよ」