「真一」
「大翔、おつかれ」
「サンキュー」
大翔の手には何も握られていない
「ハチマキは?」
「返せって言われたから返した」
返せって言われなかったら返さなかったのかよ
「西村は?」
「しらねぇよ、あれからどこ行ったかまで把握してねぇし」
そうか
「…真一さ、お前まさかと思うけど自覚してないわけ?」
は?
「なんの話だよ」
「…いや、別にいいんだけど。俺的には自覚してくれない方が楽」
?
「この競技の次、100メートル走だろ」
「あーまじか」
「…俺さ」
ん
珍しく大翔の声色が少し変わった気がした
「体育祭終わったら告るわ」
…は?
「え、な…は?」
「確実に落としてからじゃ遅いかなって…ていうか俺が我慢できないかも」
…
「真一には関係ないかな?」
大翔はしっかり俺を見てその目を少し捉えた
「こればっかりはお前の味方できないから」
…どういう
俺が状況を整理しているうちに大翔はいなくなってしまった


