「あれ、西村?」
「どこ行った?」
「宇野ー逃げられたんじゃね?」
キョロキョロとあたりを見回す宇野くんが見える
声を出そうにも口元が何かで塞がれている
ど、どういう状況?
「西村華乃モテすぎ」
!
長谷川くん!?
口を抑えていたのは長谷川く…じゃない!?
長谷川くんは私のお腹に片手を回していて、もう片手は私の右手を掴んでいる
状況を理解しよう
えっと、とりあえずここは赤団と青団のテントの後ろにある
大きなクーラーボックスの裏側
私はそこに座り込んでいる
私の後ろには謎に私を抱きすくめる長谷川くん
それで…前には私の口を手で塞いでいる園川くん
ちょっとすごい体制
園川くんと長谷川くんの間に挟まってるみたいな感じ
……
やばいぞ?心臓がここまで聞こえるくらいバクバク言ってる
顔がだんだん赤くなっていくのがわかる
「西村人気者になっちゃったね」
園川くんの手が離れる
「な、なんでこんなとこに」
「なんかモテてから」
ほ、ほお?
「ハチマキ交換するなって言ってあったよな」
まだ交換してないからっ
というか、私は園川くんの交換相手が気になってるんだった
体育祭にガチになりすぎて忘れてた
なんとかして聞き出さねば


