爽やか王子の裏側は




…なんだ


気になるではないか


もう、またしばらく長谷川くんのことで悩まなければならない


はぁ


長谷川くんはカウンター側に回ってきて私の隣の椅子に座り、ぐたっとしてしまった


いつもの長谷川くんだ





『俺のことも考えて』





「長谷川くん」

「…んー」

「今朝長谷川くんが言ったこと覚えてる?」

「今朝?…なんだっけ…」


おい


「長谷川くんのこと考えてって頼まれたやつ」

「…ああ」

「そんなこと言われなくてもおかげさまでいつも考えてるよ?長谷川くんのこと」


「は?」


むくっと起き上がった


「わざわざ考えようとしなくても頭に浮かんできちゃうくらい、私にとって長谷川くんの存在は大きいみたい」


これはさっき本当に思ったことだ

私の常日頃抱える大きな問題の一つはあなたのことですとも


「え、西村…華乃」

「言っておこうと思って。それじゃね。もうすぐ昼休み終わるよ?」

「あ、待って!」


ん?


「それ、ほんと?」



「本当だけど」

「…西村華乃さ…多分意味わかってないよね?」


ふぁい?


「…俺本気出すよ?」


ん、んー?


長谷川くんは完全に体を起こして、立ち去ろうとしていた私の行方を塞ぐように立った


「なに言って…」



chu






ん?


しーえいちゆー?


ちゅー?



「悪いのは西村華乃だから」





長谷川くんはニヤッと笑って退場した





さっき確かに聞こえたリップ音のような音


そして、頬に残る慣れない感覚





chu?


CHU!?


え、いま


わっ


は、き





ほっぺにchuされた…