爽やか王子の裏側は



結局あの後先生が来て園川くんは王子スマイルで帰って行ってしまったけど





本当に心臓に悪い


保健室のベッドの上でゴロゴロとしながら額に集まる熱を実感する


はぁ…


片想いにしては…結構やってること贅沢だよね



「それから体調はどう?」


「大丈夫です」


「んーでも微熱は微熱だからね。今日は帰りなさい」


帰ると言ってもな


家誰もいないんだけどね


風邪の時はいつもそう


快斗とか柑奈に移したくないってのもあるけど


親は当然のようにいないから…ひどく心細くなる


「はい」


「お家の人っていらっしゃる?」


「いえ…」


「あら、じゃあ…」


「歩いて帰れる距離なので大丈夫です」


「そう?」



もうすぐ五限始まるころかな


鞄を取りに行くと教室には誰もいなかった


次美術だからみんな美術室にでも行ったかな



「西村」


「あ、長谷川先生」


白衣を着た先生が扉の横にもたれかかっていた


「あの、ありがとうございました」


運んでくれたって言ってたから


「いや、いいよ。こちらこそありがとな」


へ?


「大翔…何か世話になったみたいだから」


あれ、知ってたんだ


「あいつ、陸部入る気らしいよ」





そうなんだ


「何があったのかは聞かないけど、感謝するよ」


おお…


この先生がモテる理由やっぱり分かる気がする


「早退すんの?」


「ええ、微熱が」


「そっか、お大事に」


「ありがとうございます」


ひらりと手を振って去っていく


あ、あれが男前ってやつか


弟はイケメンで兄は男前と…


恐ろしいな長谷川兄弟